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中国(江蘇省南京市)での隔離生活体験レポート 第2弾
隔離生活は早くも4日目が過ぎ、ここでのルーティンも大体分かってきました。
毎日、この施設担当の医療従事者が午前中と午後に1回ずつ突然部屋に来て、照射式の体温計で体温測定を実施します。
自分で検温したい時は、初日に渡された今では日本でも見かけることが少ない棒状の水銀体温計で測定します。
この水銀体温計を使うのは子どもの頃以来でしょうか。この水銀の温度数値を見極めるのが難しく非常に懐かしいです。
また、医療従事者にPCR検査は何回あるか?と聞いたところ、初日の空港での1回と隔離終了日1日前の13日目の計2回とのことでした。
医療関係者の対応は優しく、全身防護服で顔がよくわからないですが、仕事とは言えこの人達も大変だなと感じます。
無論、この国では医療従事者への給付金等はありません。
そして、毎日の食事。
食事(中華の弁当)は一日3回で、朝8:30、昼12:00、夜17:30の大体決まった時間に、同じく防護服を着た医療関係者が持ってきてくれます。
部屋外に設置された籠に入れる際、中国語で「吃饭~吃饭~(チーファン)!」(日本語で「ご飯だよ~!」的な感じ)と叫びながら、各部屋のドアをノックして知らせます。
初日の晩御飯にはいきなり、なまず料理が出ました。
まずは洗礼のジャブをくらったというところでしょうか、急に富山のきときとな刺身が恋しくなりました。
朝は水餃子やお粥が多く、昼、夜は3種類くらいのおかずが入ったものと白米で、美味しい時とそうでない時がはっきり分かれます。
もし足りなければ10:00と16:00に紙に書いたメニュー限定品の出前が頼めますが、持参したカップ面や魚肉ソーセージで凌ぐことも。
お酒は一切飲めません。
これは中国あるあるですが、上記に記載した事項は全て事前に一切説明がなく、知りたければ自分で中国語で聞くしかありません。
お金をとる割に、サービス面が充実していないことも異文化ならではです。
日本のサービスは一流で、中国人もよく言っている「日本のサービスは素晴らしい」という真意を改めて思い知らされます。
また、部屋のドアには中国語で「为您和他人健康请勿离开房间」、廊下には「孤独两星期热闹一辈子」という言葉がかかれた掲示物が至る所に貼ってあるのが目立ちます。
前者は「あなたと他人の健康のため部屋を離れないで」、後者は「2週間の孤独に耐えたら人生は一生にぎやかだ」という意味です。
それと部屋の網戸の外側には鉄格子があり、逃亡できないようになっています。
2日目の夜に部屋の隣人(日本人男性)が些細なトラブルに見舞われました。
部屋の扉を開け、備え付けの籠から夕飯の弁当を取る際にうっかりドアをインロックしてしまい部屋の中に入れなくなったようです。
弁当を配る担当者も立ち去ってしまい、部屋にも入れず、しかも部屋から離れられない環境下なので、私がへルプ要請を受けました。
部屋の内線用固定電話にはホテルの受付番号も記されておらず、どこにも繋がりません。
このホテルにはホテル関係者がほとんどいそうにない環境と知ります。
仕方なく限定メニューの出前サービスリストに記載してあったwechatのサービス要員に呼びかけ待つことに。
15分待っても何も反応なかったがそんな時、一人の医療関係者が上の階より歩いてくる足音が聞こえ、大声で叫び呼び止め、隣人は無事に部屋に入れました。
そのお礼に果物をもらいました。
残すところあと10日間。
余暇は運動不足にならないように、日本から持参したテニスのラケットとスポンジボールで部屋の壁に壁打ちしたり、腹筋、背筋等して過ごしていますが、私の隔離生活はまだまだ続きます。
文章:金盛貿易上海 糸賀 智行